てきとうらいふ

ストイックとかむずかしい

Webは仮想空間として進化しない

人は別の世界に憧れる。
現実とは違う別の世界に行きたい、っていうのは昔から多くの人が願っていたことだ。
辛かったり、しがらみが有ったりする「ここ」から誰も知らない世界へ、多くの物語がそんな構図で書かれている。現実には、魔法の扉とか不思議な井戸なんてどこにもないので、ちょっと遠くに旅するか、秘密の集まりに行くくらいしかなかった。

Webの仮想空間

Webの登場で、人と人を繋げる仮想的な場としての機能が出現した。物理的な空間ではなくて、仮想的な場、仮想空間と呼ばれる世界が生み出された。
日常のそばにいつでもアクセスできる別の世界が誕生したのだ。

マトリックスセカンドライフ

仮想空間としての機能に注目し、「ここ」を切り離して、完全に別の世界、違う世界を作り上げようとしたのがマトリックスでありセカンドライフだ。
その別の世界では、空飛ぶスーパーヒーローにも12頭身のスーパーモデルにも何にでもなれる。現実でチューブにつながれてマシンのエネルギー源として吸収されていようと、関係ない。
「ここ」とはまったく関係ない世界なのだ。

電脳メガネとGoogleMaps

仮想空間としての機能を、現実の拡張として捉え、オーバーレイさせた世界を作り上げようとしている。
その世界には「ここ」とおなじものが存在し、プラスアルファで色んな情報がリンクしている。現実で隣の空き地に家が建てば、仮想空間にも家が出現する。
「ここ」がベースの世界なのだ。

仮想空間としての進化

マトリックスと電脳メガネは、現段階では想像であって未来予想図のひとつなんだけど、現実のWebの進化の方向としては電脳メガネの方向へ進むんじゃないかと思ってる。
別の世界はたまにいくなら楽しいけど、現実をほったらかしした進化は難しいだろう。
そういうわけでセカンドライフはぱっとしないし、現実空間とリンクするモバイルなサービスはどんどん伸びていく。
仮想空間としてよりも拡張現実としての進化が未来の方向なんだろう。

まとめ

Webは、
・「ここ」じゃないどこかへ連れて行ってくれる方向へは進化しない
・「ここ」を豊かに便利に楽しくする方向へ進化する
でもやっぱり人は別の世界に憧れるので、仮想空間としての機能はなくならないとも思う。